質問80 |
パドックを見ていると、ほとんどの競走馬の股の部分やゼッケンの下から白い液体のようなものが見えます。拭いてあげたいなと思うくらいですが、あれは何なのでしょうか? 肌を傷つけないようにと関係者の方が何かを塗ったりしたものなのでしょうか? |
答え |
確かにあの白い液体は気になりますね。私も昔は白いクリームか何かが汗と混じって流れ落ちたものと思っていましたが、実際はただの汗です。汗自体が白い色をしているのではなく、皮膚を伝って落ちるときに泡立って白くなるのです。
優駿クラブに在籍している佐久間大地(トーシンブリザード元厩務員)に詳しく聞いたところ、装鞍所(馬体を計ったり、鞍を着ける場所)では汗を拭いても、パドックに行ったら手を入れることはあまりないとのことです。騎手の方が拭いてあげることはあるようですね。あと、鞍と皮膚がこすれて起きてしまう鞍傷(あんしょう)を防ぐために何かを塗ることはないようです。傷ができてしまってはじめて薬を塗るようですね。
パドックを注意してみていると、いろいろと不思議な発見があります。気になった物を見付けたら、ご質問のメールを下さい。
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質問81 |
「モタれる」という状態はなぜ起こるのですか? |
答え |
なぜ競馬が競輪や競艇よりも圧倒的に人気があり、ギャンブルの王様なのでしょうか? それは競走しているのが人間ではないからです。よくサラブレッドは賢いと言われますが、もちろん人間の頭脳には遠く及びません。レースに出走して、他の馬より速く走ってやろうとか、うまくペース配分してスタミナを残そうとか考えるはずもなく、だからこそ不確定要素が生まれ、それがギャンブルとしての面白さを増幅させているのです。
変な意味でなく「馬は頭が悪い」と理解しておいた方が良いでしょう。普段から気性が荒く、競馬に行って暴走してしまう馬は一般的に「バカ馬」と呼ばれますが、サラブレッドとはそんなものなのです。セリでも目が血走っていて頭に問題があると思われたら、買い手はつきません。もちろん活躍できる可能性が低いからです。
ご質問にあった「モタれる」というのは馬の癖です。右にモタれやすい馬、左にモタれやすい馬といますが、どちらも馬がそちらに行きたいだけであって、人間がコントロールしようとしても言うことを聞かないだけのことです。最も有名なのは武豊騎手の指示にもデムーロ騎手の指示にも従わない2冠馬エアシャカールですね。
そういった馬に対してはラチにへばりついて走らせたり、手綱を工夫したりと騎手も色々な努力を試みます。右回りの競馬で右にモタれる馬が1番枠を引いたらラチを頼って走ることができ、好走する確率が上がりますし、逆に右回りの競馬で左にモタれる馬が大外枠を引いたら、外に逃げて凡走する危険性が上がってしまいます。このように「モタれる」というサラブレッド個々の癖をよく知ることは馬券的中につながります。レースを穴のあくまで見て、どの馬にどんな癖があるのかを確かめるのは有効な馬券戦略なのです。
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質問82 |
昔、「単枠指定」という制度があったそうですが、一体どんなものなのでしょうか?
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答え |
もう10年ほど前の話になりますが、馬連導入以前の馬券は単勝・複勝・枠連の3種類しかありませんでした。その中で売上の主力になっていたのは枠連です。「単枠指定」とはそんな状況で必要だった制度であり、簡単に言えば圧倒的な人気を背負うであろう馬を単独の枠にしてしまおうという制度でした。
例えばAという人気馬とBという人気のない馬が同じ1枠いたとして、Aの馬が出走を取り消した場合、走る可能性の低いBだけが残った1枠絡みの枠連馬券は「1−1」を除いて払い戻しを受けることが出来ません。枠連主流の時代にこのようなことが起きると、もちろんファンサイドから大きな不満が出ます。GTではより問題が大きくなりますし、ファン離れ、大量投資をしづらい状況と売上の面から見てもよいことはないでしょう。よって「単枠指定」という制度が生まれました。出馬投票終了後に圧倒的な人気を背負うであろうとJRAが判断した馬がいた場合、その馬を「単枠指定馬」として指名し、どの馬番を引き当てようとも、その馬がいる枠は1頭のみとなるのです。したがって16頭立ての競馬でも、単枠指定馬が16番を引いたら、その枠は大外のピンクの8番枠で頭数は1頭。そして7枠には3頭が入るという特殊な枠順になっていたのです。
この「単枠指定」制度は主催者であるJRAの予想行為ではないかと批判されたことがありました。また、単枠指定にならない人気馬が取り消せば、やはり問題になるわけで、そんな声が高くなって馬連導入に至りました。しかし、私個人は実務的な面は別にして、「単枠指定」がなくなったのは残念で仕方ありませんでした。まず、「単枠指定」という響きは非常にかっこいいですね。それに、簡単に「単枠指定」を受けることはなく、指名されると何か箔がついて強い馬に感じたものです。
ご質問をいただき、久しぶりに「単枠指定」の言葉を見ました。非常になつかしい気持ちを感じさせてくれたことをありがたく思います。
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質問83 |
馬の状態に関して、厩舎関係者のコメントがレース前とレース後で微妙に違うことがあります。特に結果が出なかったときに多いと思いますが、本音を事前に読み取る方法はないのでしょうか? |
答え |
非常に難しい問題です。申し訳ないのですが、方法はないというのが正しい答えでしょう。まず、人の話というのは、実際に目の前で聞いていないと細かいニュアンスが分かりません。私は競馬新聞に勤めていましたが、トラックマンが書いた原稿を編集の人間が読みやすいようにとか、文字数が合うようにとか手を加えていくと、話し手が言いたいことズレが出てきてしまいます。そのあたりに気を遣っていても正確な表現をするのは困難です。
また、馬の状態とは刻一刻と変化しており、どの時点で話を聞いたかによって内容が大きく変わってきます。水曜日の追い切りの話が「まだ重い」だったのに、その追い切りで一変して、木曜には「絶好の状態」となることがありますし、その逆で追い切ってコズミが出てコメントが悪くなってしまうケースもあります。
誰が話しているかということにも注意しなければなりません。いろいろな新聞のコメントを見比べて、助手が「仕上がりひと息」、調教師が「力を出せる状態」と言っている場合があります。これは、2人のどちらかウソのコメントを出しているのではなく、2人の状態に対する感じ方が違うだけのことです。
とにかく情報は新しいものを手に入れてください。前日の朝追い後のコメントが出ている新聞を買うのが良いかと思います。あとはコメントを全面的には信頼しないこと。仕上がりや状態は、ローテーションや攻めの時計、記者の調教解説などを総合的に見て判断すべきです。あまりいいアドバイスができないのですが、以上のことを参考にして下さい。
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質問84 |
新馬券の「3連複」をうまく勝負馬券に取り込めません。効率的な購入方法があったら教えて下さい。 |
答え |
3連複に関して色々と話を聞きますが、一致しているのが「買い方が分からない」、「儲からない」というものです。私も実験的に様々な購入方を試しています。しかし、正直なところ、これといった買い方は見つかっていません。当然といえば当然なのですが、獲れる3連複は配当が安いですし、超高配当が出るから面白いと言われても、そんな馬券は当てるのが困難です。
現時点で漠然と考えているのは、3連複は所詮遊びではないかということです。例えば4頭を上位に見たとして、3連複のボックスを4点買うより、馬連ボックス6点、またはワイドでボックス6点を買った方がいいのではと思うのです。馬連のボックスなら3着馬が狂っても馬券は当たり。3連複だったら外れです。逆に考えて3連複が当たるなら、必ず馬連は当たっているわけです。ワイドのボックスなら3点的中がありますし、1頭選択ミスがあっても1点だけは当たってくれます。かなり幅がありますが、ワイドの配当を3点すべて足すと、3連複の配当の2分の1から4分の3程度。押さえが利くことを考えれば、それでも悪くないと思うのですが…。
ひとつ言えることは、結局、上位に来る馬を正確に予想できないことには、どんな馬券も当たらないということです。新馬券導入後はどの馬券を買うかばかりに集中している人を多く見かけますが、もっと他の部分に力を注いだ方が良いではと感じます。
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