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質問16 競馬はギャンブルの中で勝てるギャンブルですか?パチンコや競艇やtotoと比べるとどうですか?
答え 面白くもあり、また難しい質問をいただきました。私自身は、昔パチンコを少したしなんだ程度で、競輪や競艇、totoといった他のギャンブルにはほとんど手を出しません。その理由は「競馬が一番勝てる」からです。ただし、それは私にとってそうであるだけで、現実に競馬が最も勝てるギャンブルかとなるとそうではないでしょう。不確定要素の多さから言って、むしろ最も勝つことの難しいギャンブルかもしれません。私が競馬で勝てるのは「競馬が好き」だからです。競馬を始めてしばらくはあまり馬券が当たりませんでしたが、多くの時間を費やして意欲的に研究を積み、その結果として徐々に的中率が上がり、そして確実に勝てるようになりました。競馬が好きだからこそ好んで研究をしたのであって、もし競艇をやって楽しいと思わなかったら研究することはただの苦痛だと思います。どんなギャンブルにも「勝てる人」「勝てない人」がいます。そして、そこには「勝てる理由」「勝てない理由」が存在します。どのギャンブルの場合も結局はすべてを深く掘り下げて分析し、研究した人間が勝つのです。ここでひとつ「勝ち組」になるためのポイントを挙げましょう。私も常々自分に言い聞かせていることですが、「決して自分が正しいとは思わないこと」です。
質問17 メイセイオペラが現役を退きました。地元岩手ファンの自分としては残念ですが、オペラの血統から芝に適した子供が産まれる確率はどうなのでしょうか?
答え 地元岩手の方ということですが、メイセイオペラは本当に強かったですね。2年前のフェブラリーS制覇がすばらしい内容で、昨年もハイペースの中を早めに先頭に立つ厳しい競馬での4着。実質はフェブラリーS連覇といってもいいでしょう。それではオペラの仔はどんなタイプになるのでしょうか?これに関しては「分からない」と答えるしかありません。血統とは難しいものです。脈々と受け継がれた血が影響しており、父親や母親の特徴が子供に出るとは限りません。たとえば、非凡な芝のマイラーだったサッカーボーイの仔はキョウトシチーを代表に、ダートや長めの距離で活躍する馬が多いですね。また、凱旋門賞を制したダンシングブレーヴの仔は、キョウエイマーチ、テイエムオーシャンと短距離向きのスピード馬ばかりです。メイセイオペラは父グランドオペラで母の父がタクラマカン。血統からはダート向きですが、子供が芝向きに出ておかしくありません。オペラ自体は芝適性が相当に高かったはずです。あいまいな答えしかできなくて申し訳ありませんが、どちらの適性に出るにしてもオペラに劣らぬ強い仔を出して欲しいものですね。
質問18 ダートの馬場で調教駆けする馬はダートが得意なのですか?また坂路で好タイムを出す馬は直線での坂に強いのでしょうか?
答え よく調教に使われるダートコースは、美浦ならDコースとCコース、栗東ではBコースになります。ここで好時計をたたき出す馬はダート向き、と言いたいところですが、現実には競馬新聞などに載っている調教タイムからダート向きかどうかの判断を下すのは簡単ではありません。むしろ調教で速い時計が出る馬は「短距離向き」だと認識しておいたほうがいいでしょう。もちろん短距離性能が高いかどうかは持って生まれたスピードによるところが大きいですが、気性が占めるウェートも少なくありません。常に一生懸命走ってしまう馬は短距離のレースが合っていますし、そんな馬は調教でも一生懸命走って自然と好タイムが出てしまう傾向にあるのです。覚えておいて損はないでしょう。
また、坂路調教に関してですが、確かに坂路調教を積んでいけば坂のあるコースでの伸びが良くなっていいと思います。しかし、「この馬は坂路調教馬だから坂のある中山で大駆けするだろう」といった狙い方はできないでしょう。現実的に馬券的中に直結するかは疑問が残るところです。
質問19 馬の調教映像では最後の直線の部分しか見ることができませんが、本当はゲートからスタートしているのでしょうか?
答え 調教に関する質問が実に多いのですが、一般ファンが調教を見ることができないからでしょうね。調教は基本的に体をほぐす作業から入ります。角馬場と呼ばれる馬が20頭ほど入れる小さなサークルで準備運動を行い、それからコースに出て追い切りを始めるのが主流のパターンです。美浦のWコースを例に挙げますが、まずコースに出ると馬場の大外に近いところをゆったりと1,2周します。そして途中から内に入ってペースアップし、ここからが本格的な追い切りとなるのです。従って、コースでは外をゆっくり周回する馬と、内で全速で走る馬とが同居する状況となっています。質問にあったゲートからの追いきりは、そう多くは見ることができません。ゲートから追いきった場合は、競馬専門紙などにゲートの時計として1ハロン毎のラップが記されています。特にデビュー前の新馬のスタートダッシュが速いかどうかを見極める重要なファクターとなるので、注意しておいたほうが良いでしょう。JRAが一般ファンの調教を目の前で見る機会を増やしてくれるといいのですが・・・。
質問20 最近、実力馬が故障するケースが増えたと思います。今年はアグネスタキオン、ゴールド、ミスキャストなど、荒れた中山の馬場や京都の高速馬場で激走した馬が故障していますが、何か因果関係があるのでしょうか?
答え 特にアグネスタキオンの故障に関して、10件以上の同じようなご質問をいただきました。それほど、この歴史に残る名馬の故障は衝撃的だったのでしょう。確かに今年の3歳クラシックでは有力馬の離脱が目立ちました。しかし、以前より増えたかと言われると、私の受ける印象ではそうは感じません。テンポイント、ライスシャワー、フジキセキ、他にも故障でこの世を去ったり、引退を余儀なくされた馬は星の数ほどいます。競走馬は速く走るための代償として、脚が極限まで細くなっています。それが人間のエゴによるものであっても、それが現実であり、故障するのは競走馬の宿命なのです。それは強い馬であればあるほどです。荒れた馬場と高速馬場が故障を誘発しているのは100%間違いありませんが、馬にとって最適の適度にクッションの利いた馬場を保つのは相当に難しいことです。JRAも何の対策も講じていないわけではありませんし、そのあたりは汲んであげていただけたらと思います。

   

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