質問41 |
クロフネは世界のダートで通用しますか? |
答え |
クロフネの武蔵野ステークスの圧勝には誰もが衝撃を受けたことでしょう。とくに追ったところなく後続を9馬身突き放し、時計が1分33秒3の大レコード。2着のGI馬イーグルカフェを含め、他の馬が完全にかすんで見えました。
さてそれではそのクロフネは世界で通用するのでしょうか?結論から言えば確実に通用します。というか、あれより強い馬がいたらイヤですね(笑)。単純な時計比較ですが、昨年ドバイワールドCを2着したトゥザヴィクトリーは、前のレースのフェブラリーSで1分35秒8(3着)の時計をマークしてました。それより2秒5も速い時計で走ったクロフネはトゥザよりも明らかに能力が高く、ドバイワールドCを勝てる力があるといって間違いありません。府中のダートは砂質が軽く、アメリカやドバイといった世界の主流のダート競馬とスタイルが似ています。その点でも今回の勝利は意義が大きかったのではないでしょうか。
次走は予定ではジャパンCダート、そして来年は世界のダートで戦うことでしょう。マル外ではありますが、日本史上最強のダート馬として世界の舞台で華々しい活躍をしてもらいたいものです。 |
質問42 |
先日の天皇賞の調教では、テイエムオペオーの時計よりステイゴールドの時計の方が速かったのですが、自分の使っている新聞ではオペラオーが「A」評価、ステイが「B」評価でした。これは何が根拠になっているのですか? また、調教欄を見る時には、主観的な判断は読まずに、数値からだけ読み取るべきなのでしょうか? |
答え |
まず、調教欄を読む時のスタイルですが、「時計」と「トラックマンの主観的な目」の両方を判断材料に入れるべきです。後者に関しては、「自分の目」で見ることができるようになるのが理想ですね。「時計」というのは、あくまで目安です。鞍上がどれだけ追って、それでどれだけの時計をマークしたのか、そしてどれだけの動きを見せたのか、これらを連動させて考えないことには意味がありません。どれに重きを置くべきなのかは、ケースバイケースですし、そもそも答えがないものです。調教欄を読む勉強を重ねて、自分なりのスタイルを作ってくださいとしか返答できません。
また、時計が劣るオペラオーの評価が高かったことに関してですが、これはトラックマンが前回時の動きをベースにランクを付けたからです。あるレースがあったとして、出走各馬の調教の時計や動きを横に並べて比較することはさして重要ではありません。それよりも、各馬を縦に見て前回から上向いているのか、それとも平行線なのかを見極めることの方がはるかに大切です。そんな意味で、オペラオーが「A」評価、ステイが「B」評価となったのでしょう。
最後に一言、調教を見る目が身に付くと、馬券的中の精度は飛躍的に上がります。これだけは間違いありません。
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質問43 |
前走と違う条件で穴をあける馬がいます。たとえば芝からダートに替わった時や、距離が延びたり短縮されたりした時です。どうゆう面がプラスになって走るのですか? |
答え |
競馬において万能型の競走馬というのは基本的には存在しません。確かに色々な距離、コース、そして芝・ダート、これらをまんべんなく走る馬はおり、これを万能型と呼ぶのは間違いではないでしょう。しかし、そんな馬でもベストの距離なりコースなりは確実にあるはずです。他の条件で走ったとしたら、それはうまく折り合いがついたとか、相手が弱かったとか、必ずや好走したワケがあるものです。
そのベストの条件の見極めは非常に重要なことです。過去の実績やレースでの折り合いを見て、どのような状況下において各出走馬が全能力を発揮できるかを考えてください。もし、過去にダートで2勝している馬がいたとして、最近は芝ばかりを走っていたとします。その時は芝での結果は無視して考えるべきです。参考にするのは、「実績のない芝でこれだけ走ったのだから」とか、そんなケースですね。状態等を計る要素にはなるでしょう。特に芝での着順が悪い時など、人気は極端に落ちるので馬券的には絶好の狙い目となります。距離短縮、距離延長に関しても同じことが言えるでしょう。結局は過去の走りを覚えていたり、調べ上げたりした者が馬券で勝つものです。「競馬は記憶のゲーム」と呼ばれるのは、このあたりから来ているのです
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質問44 |
GTでは下級条件でいい勝ち方をして来た馬に人気が集まることがよくあります。レースで好走できないことが多いですが、こういう昇級して来た馬の取捨のポイントを教えてください。 |
答え |
競馬には無数のファクターがあり、基本的には“決定打となるような一つのポイント”というものは存在しません。それはGTに挑戦する上がり馬についても同じなのですが、一つだけ“参考にすべきポイント”を挙げてみたいと思います。
それは、近走の競馬の“ペース”です。もし、前のレースで強い競馬をしていたとしても、スローの中での結果だったら評価すべきではありません。いい例が先日エリザベス女王杯に出走したスプリングチケットでしょう。前のレースと3走前にすごい瞬発力を発揮して圧勝していましたが、それもゆったりと追走して息が残っている状況での結果でした。GTの流れはそんなに甘くありません。阪神2200だった前のレースの1600通過が1分38秒5、エリザベスでの同馬の1600通過が1分36秒7、通過ラップがこれほどまでに違えば、伸びる余力がなくなってしまって当然でしょう。GTに出走する上がり馬の中では、ハイペースの激戦でいい競馬を見せた経験がある馬を狙ってください。そういった底力がなくては頂点の戦いで好走することはできません。前のレースで激戦の中を頑張っていた馬、ちょうど菊花賞で2着に逃げ粘ったマイネルデスポットがそうでしたね。
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質問45 |
よく、「クラスの壁」という言葉を耳にしますが、これは一体何ですか? |
答え |
特に中央競馬において問題になることです。たとえば南関東公営などはクラスが細分化されており、好成績を挙げたとしても、相手は徐々に強くなっていくだけに過ぎません。ところが中央競馬の場合、クラス編成は大ざっぱに言って、未勝利、500万下、1000万下、1600万下、オープンとたったこれだけです。その分、勝ってクラスが上がると、メンバーは一気に強力になります。その力の差に加え、相手が強くなったことによってペース自体が違って来るので、追走に手一杯で何の見せ場もない、というようなことが起きてしまうのです。これが「クラスの壁」です。
それだけに困ったことも出て来ます。それはクラスが上がるのを嫌がる、すなわち「勝ちたくない」作戦で来る厩舎が出てしまうことです。どの馬が勝って昇級し、どの馬が勝っても次走で同じクラスを走れるかは予想する際に必ずチェックして下さい。
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