Q:雨が降った時の重馬場と荒れた馬場とはどう違うのでしょうか?またその馬場の適正はどう見分け
ればいいのでしょうか?
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A:非常に奥が深く、また難しい質問です。まず重馬場とは、雨を含んで地面がやわらかくなっており、
ひどい場合には地面に水が浮いている状態を指します。一方で荒れ馬場とは、芝が綺麗に生え揃
っておらず、その下にしかれている砂の部分が露出したりしている状態のことです。一般に重馬場
は水で滑りにくい、爪が小さい馬が有利と言われていますが、現実にそれを見極めるのは難しいこ
とです。連対率の高くなる逃げ馬を狙ってみてはどうでしょうか?次に荒れ馬場ですが、この状態の
ときにはダート向きのパワー型が活躍する傾向にあります。重馬場も荒れ馬場も共に波乱になるこ
とが多く、馬券の勝負は手控えて小額投資で穴を狙うのが良いかと思います。あくまで私個人の楽
しみ方ですが・・・。 |
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Qよく桜花賞は外枠の馬が不利と言われますが、他にもこのように有利不利のある場合があるのでし
ょうか?: |
A:お答えします。まず、日本の競馬場は基本的に小回りコースであることを確認してください。例えば
右回りの競馬場でスタートしてすぐに右に曲がるような状況だったとしたら、外から発馬する馬が不
利になるのは当然です。桜花賞の行われる阪神芝1600は、まさにこのようなコースになっているの
です。他にも秋の天皇賞が行われる府中芝2000、また中山芝1600などが外枠不利のコースとして
挙げられます。逆に外枠が有利な場合もあり、その良い例が、中山ダート1200です。このコースは
スタートしてしばらく芝コースを横切るようになっており、加速がつきやすい意味で特に先行タイプに
利が大きく、馬券的な狙い目となるので注目してみてください。 |
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Q:平坦で小回りのローカル競馬場は先行馬が有利と言われますが、見ていてそうとはいえない感じが
します。他にも脚質の有利不利に影響するものがあるのでしょうか? |
A:例えばついこの間まで行われていた中京競馬場では、1開催8日間で芝のレースが56鞍あり、逃げ
切った馬はわずかに4頭でした。これは荒れた芝で揉まれ込む形になるとつらいため、いいポジショ
ンを取ろうと出走各馬がスタート直後から前へ殺到した結果です。正しく認識されていないことが多
いようですが、競走馬が全力疾走できる距離はせいぜい400メートルです。たとえ平坦で直線が短
くても、前半で必要以上の全力の走りをしてしまったら、後半で脚が上がるのは当然なのです。もち
ろん単騎で気持ちよく先行できたら、直線が短く、また平坦の方が有利ではありますが、「展開」によ
ってそれが簡単に崩れることを認識しておきたいですね。ところで今年から新潟競馬場で日本初の
直線1000メートルのレースが行われます。高額条件のレースも組まれており、今からどんな競馬に
なるのか楽しみですね。 |
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Q:芝コースは芝の傷み具合によって、内側、外側に有利不利が出ますが、ダートはそんなことがない
ので、馬群に包まれたりしない限りは距離のロスが少ない内側が有利といえるのでしょうか?
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A:確かにダートは芝と違っていたむということがありません。内ラチいっぱいに走ったほうが距離損が
少ない分だけ有利でしょう。ただし、ご質問の中にもあった「包まれたりしない限りは」という条件が問
題です。ダートの場合は芝と違って砂が飛んできます。もし半完歩でも出遅れて揉まれ込んでしま
ったら、気難しい馬などひとたまりもありません。私は流れが読みやすいのでダートの短距離を好
んで買いますが、先行タイプから勝負をかけるのは決まって外めの枠に入ったときです。少しくらい
距離損があっても、外めの枠なら外から被される(かぶされる)危険性が減りますし、外から内の馬
の出方をうかがいながらスーッと先行してくれたほうが落ち着いて見ていられます。もちろん競馬に
は無限の展開があって、これという正解はなく、ダートの内と外の有利不利も、どこに先行馬が入っ
たかでまったく変わってきます。固定観念を持たず、柔軟な考えをもつことをおすすめします。 |
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Q:なぜ福島の馬場はすぐ荒れるのでしょうか?札幌などと比べるのは酷かもしれませんが、もう少し
何とかならないものでしょうか? |
A:よくこのような話を聞きますが、現実的には難しいでしょう。福島の馬場が荒れやすいのは、芝では
なく地盤の問題です。JRAも芝の張替えを行ったりと懸命な努力をしていますが、さすがに地盤を
全面的に改修することはできません。私自身は程度の問題こそあれ、時計のかかる馬場になりや
すい競馬場は存在するべきだと思います。もし、日本のすべtての競馬場が新潟のように高速馬場
になってしまったら、スピードのある馬ばかりが活躍し、パワータイプの馬が脚光を浴びることはなく
なってしまいます。血統的な観点から長いスパンで見ると、おそらく日本の馬の底力の低下も引き
起こすでしょう。ただ、馬券が当たらないのは困りものですね。先の小倉競馬の後半など、馬場が
荒れ放題で万馬券が当たり前の状況でした。これでは、もう競馬はやりたくないというファンが増え
てしまいます。こればかりは読みを深めて自分で何とかするしかないのですが・・・。
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Q:暮れの中山開催は荒れることが多いですが、どんなことが原因になっているのですか? |
A:12月の中山開催には予想家としても馬券師としても非常に悩まされます。まず、ほとんどのレース
がフルゲートになってしまいます。中山は府中と違って小回りコースのため、ゴチャつく競馬になっ
て力を出し切れずに終わる馬が多く見受けられます。そして、不利があった馬が次走でスムーズに
走って一変する……。こんな状況では予想を当てるのが難しいのは当然のことです。また、芝の競
馬では冬場で芝の育成自体が悪いため、時計がかかる傾向にあることも問題です。今年などは例
年より芝の状態が良いのですが、あと2週もすれば荒れた状態になってしまうことでしょう。
そして私が最も大きな要因と考えているのが、仕上げの難しさです。人間と同じで寒い冬は汗をかき
づらく、太った体のままで競馬に出る馬が多くいます。「10キロ増だった久々の前走を叩いて狙いは
今回!」、と思っていたのに、更に馬体が10キロ増えていた、などということが頻繁に起こってしまい
ます。暮れの競馬ではいつも以上に体調に注意してください。太りやすい体質の馬は敬遠したいで
すね。また、久々の馬が好走することが少ない時季でもあります。 |
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Q::よく耳にするのですが、阪神競馬場のレースは何故、外枠が駄目と言われるのですか? |
A:私の1作目の本にも書いたのですが、競馬における最大の不公平が枠順の有利不利でしょう。しか
し、これは何頭もの馬が一緒に走る以上、仕方のないことです。スタート後の直線が長いとその程
度は軽くなりますが、すぐコーナーがあるコース設定だと極端に外枠が不利になります。その代表
が阪神の芝1600ですね。ご質問には阪神のレースは外枠が駄目とありましたが、すべてのレース
が外枠不利ということでありません。各距離でスタート後の馬の動きを見て、自分なりにどういったコ
ースかを頭にイメージできるようになるのが理想です。
逆に外枠有利のコースもあります。中山のダート1200など、スタート後にしばらく芝を走るのです
が、外の方が芝の部分を長く走れるので、外枠が有利になっています。府中のダート1600も同じ理
由で外枠に利がありますし、阪神のダート1400、京都のダート1400も若干ですがそのように感じま
す。
ひとつ忘れないでいてもらいたいのが、乗っている騎手もそれを承知しているということです。例え
ば阪神芝1600で先行馬がいたとして、1番枠を引いたら包まれるのが嫌で一気に先頭に立つ可能
性が高いでしょう。しかし、16番枠を引いたりしたら、無理に行くと脚を余計に使ってしまうので揉ま
れない形で好位につける作戦を取ってくるかも知れません。先行馬や人気馬がどの枠に入ったかで
展開は大きく変わってきます。それが枠順の不公平なコースでは尚更なのです。 |
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Q::重馬場の得意な馬と不得意な馬がいますが、それを見分ける方法はあるのでしょうか? |
A:今はまさに梅雨の真っ只中。非常にタイムリーな話題なので取り上げたいと思ったのですが、あまり
有効な答えを出すことができないというのが正直な感想です。それほどまでに道悪競馬は難しいも
のなのです。
ご存知の通りダートの道悪では基本的には脚抜きが良くなってタイムが速くなります。芝にも対応
できるスピード馬が優位になり、また、スタミナのロスが少なくなって先行馬が活躍します。紛れが少
なくなり、配当が低くなる傾向にありますね。
反して芝の道悪はこの上なくやっかいです。芝そのものというより、水を含んだ地盤がボコボコに
なり、脚は取られるは前の馬の蹴った泥は飛んでくるはで悲惨な状況になります。そんな馬場でう
まく走れる道悪巧者がいたら信頼を置きたいところですが、そんな“道悪巧者”が泥をかぶって“道
悪のために”簡単に負けたりするのです。
こんな馬も少なくありません。雨がイヤ、馬場を嫌うとかでなく、空から雨が降ってくるのが嫌いと
いう馬です。競馬新聞のコメントで見つけることがありますが、繊細なサラブレッドのこと、そんなタイ
プもいるのです。ずいぶんと古い話になってしまいますが、10数年前に活躍したハワイアンコーラル
という馬は雨がポツンと一滴体に当たっただけで走る気をなくしたそうです。そんな馬を見抜くのは関
係者のコメントで見る以外は不可能ですね。
馬券がうまい人は道悪の場合には芝のレースで絶対に勝負しません。それが間違いなく正解でし
ょう。あえて傾向を挙げれば、泥をかぶらない逃げ馬が有利で、爪の小さい馬が悪い馬場を掘りな
がら走れるために有利になるということですが、それも決定打にはなりません。
芝の道悪競馬は遊び程度にしか馬券を買わない。後ろ向きに見えて、それこそが前向きなことな
のだと思います。 |
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