7:予想について       1/2                              ⇒質問はこちらから
Q:僕が始めて興味を持って競馬を見たのはセイウンスカイの勝った菊花賞で、それからというもの追
  い込みが決まったレースもたくさん見ているのに、どうしても競馬は先行有利!と頭にあります。実
  際のところはどうなんでしょうか?⇒Aへ
Q:最近よく新聞に「ブリンカーを着ける」という調教師のコメントを見かけますが、「ブリンカー」とは一体
  どういうものなのでしょうか?
⇒Aへ
Q:返し馬でパドックとは違いかなりの気合ののった馬が見かけられ、そのレースで好勝負する馬がい
  ると聞きました。本当ですか?⇒Aへ
Q:僕は競馬を始めて3年になりますが、成績は最初の半年くらいが一番良かったように思います。自分
  なりの解釈としては、詳しくなるあまりに、小さなことにこだわりすぎて大きな事を見逃してしまうから
  と思うのですが、どうでしょう?⇒Aへ
Q:強い競馬とは、どんなレース内容でしょうか?タイムが速い、不利があったのに勝ってしまったなど
  があると思いますが、どうでしょう。あと、レースを見るポイントも教えてください。⇒Aへ
Q::なぜ、全くの未出走の新馬戦に関し、「不確定要素が多くて勝負できない」という専門家が多いので
  しょうか?本命サイドの決着で終わる確率が高く、私個人も馬券的中率が一番高いのですが・・・。
   ⇒Aへ
Q::9月8日から関東開催は舞台が中山競馬場に移ります。直線が日本一長くなった新潟で積極的に逃
  げ、その長い直線で捕まってしまった馬に狙いをつけているのですが、どうでしょうか。⇒Aへ
Q::休み明けの馬の取捨のポイントを教えてください。⇒Aへ
Q::返し馬を見るときは、どんな点に注意すればいいですか?⇒Aへ
Q::前走と違う条件で穴をあける馬がいます。たとえば芝からダートに替わった時や、距離が延びたり
  短縮されたりした時です。どうゆう面がプラスになって走るのですか?⇒Aへ
Q::GTでは下級条件でいい勝ち方をして来た馬に人気が集まることがよくあります。レースで好走でき
  ないことが多いですが、こういう昇級して来た馬の取捨のポイントを教えてください。⇒Aへ
Q::前走でレコード勝ちした馬の取捨について教えてください。どちらかと言うと、凡走するケースが多い
  気がするのですが…。⇒Aへ
Q::人気薄の逃げ馬が勝つ時は、後ろの騎手から目標にされにくいので気持ち良く走り切ってしまうと思
  うのですが、他にはどのような原因が考えられますか?⇒Aへ
Q::レース展開の読み方について教えてください。⇒Aへ
Q::最終コーナーを楽な手応えで回って健闘した馬と、早くから追い出しを始めて健闘した馬。次走で狙
  えるのはどちらですか?⇒Aへ
Q::最近は久々の馬を放牧先で仕上げてから入厩させるケースが多く、トレセンでの調教回数や時計に
  あまり意味がありません。このような馬に対する馬券作戦のコツを教えてください。⇒Aへ
Q::降級馬に関して、素直に狙っていいのか、それとも危険なのか、その見極め方を教えてください。
  ⇒Aへ
Q::地方から参戦するいわゆる”カク地馬”の狙い方について教えてください。⇒Aへ
Q::馬体重の増減は何キロまでがレースに影響するのでしょうか。⇒Aへ
Q::⇒Aへ


Q:僕が始めて興味を持って競馬を見たのはセイウンスカイの勝った菊花賞で、それからというもの追
  い込みが決まったレースもたくさん見ているのに、どうしても競馬は先行有利!と頭にあります。実
  際のところはどうなんでしょうか?

A:なかなか難しい質問をいただきました。私個人はこの質問者のご意見に賛成で、競馬は「先行有利」
  と考えております。もちろん先行決着、差し決着とあるのですが、どちらの場合も競馬を作っている
  のは先行馬です。完全に力の抜けた差し馬がいれば別ですが、先手争いをするなどがあって、前
  の組が失速したときに後ろの組が浮上する、これが一般的な差し決着のパターンです。ペースやレ
  ース展開を読む際には、まず先行馬がどういう動きをするのかに注目するのが良いでしょう。「逃げ
  馬好きな人」と「差し馬好きな人」、この両者を比べると前者に馬券上手が多い傾向にあると感じま
  すが、これは偶然ではないでしょう。ちなみに私が競馬の魅力に取り付かれ、競馬の世界で生きて
  いくことを決心するきっかけを作ってくれた馬は「アドバンスモア」です。今も元気でいてくれるといい
  のですが。
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Q:最近よく新聞に「ブリンカーを着ける」という調教師のコメントを見かけますが、「ブリンカー」とは一体
  どういうものなのでしょうか?
A:実際に馬を思い浮かべてもらえればわかると思いますが、馬の目は大きく、人間と違って側面につ
  いています。したがって、視野がおそろしく広く、360度中、実に350度まで見えてしまうのです。臆病
  な馬のことですから、レースで横の馬や後ろの馬が気になるのは当然で、ブリンカーとはその視野
  を狭くしてしまおうという馬具なのです。これを着けることによって、集中力が増し、成績が一変する
  馬が少なくありません。特にブリンカーを着けて逃げ宣誓をしている馬に大駆けのケースが多く見受
  けられます。今後は新聞紙上に載っているブリンカーの着脱を記した欄を注意して見てください。意
  外なほど簡単に穴馬券が取れるようになります。
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Q:返し馬でパドックとは違いかなりの気合ののった馬が見かけられ、そのレースで好勝負する馬がい
  ると聞きました。本当ですか?
A:サラブレッドは私たちが考えている以上に繊細です。よってレースに近い時間である返し馬で馬の気
  配を見るのは重要なことです。たとえばパドックから馬場に出る間の地下馬道が嫌いな馬がいたり
  すので、そんな馬はパドックでの情報はアテにはなりません。パドックで落ち着いていても、馬場に
  出て興奮状態だったら元も子もありません。あと、返し馬を見ることによって、勝負気配にある馬を
  見極めることができます。入念にキャンター(軽く走ること、筋肉をほぐす効果がある)をしている馬
  がいたら、レースで最高の結果を出そうと最大限の努力をしていることの表れだと考えてよいでしょ
  う。返し馬は奥が深いのですが、勉強するとなかなか面白いものです。
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Q:僕は競馬を始めて3年になりますが、成績は最初の半年くらいが一番良かったように思います。自分
  なりの解釈としては、詳しくなるあまりに、小さなことにこだわりすぎて大きな事を見逃してしまうから
  と思うのですが、どうでしょう?
A:おっしゃる通りで、競馬というのは知識を積み重ねていくに連れて難しくなるものです。最初のうちは
  近走の成績や時計など少ないファクターを材料に結論を出していたと思いますが、だんだんと騎手・
  血統・コース・状態など、分析する材料が増えて迷路に迷い込んでしまうのです。よくGIレースなど
  で、普段は競馬に参加しない人が実績どおりの馬券を買って的中させますね。例えば今年の安田
  記念のブラックホークですが、折り合いがどうだ、距離がどうだ、状態がどうだと考えていると、手を
  出せなくなってしまいます。それでもGIを勝っている馬がこんなに人気がないのかと素直に考えた人
  は、あの馬券を的中させることもできたでしょう(2着が抜ける可能性が高いのですが・・・)。
  しかし、だからといって深い知識を身につける必要がないわけではありません。浅い知識でもある程
  度の結果を残すことは可能でしょうが、その中でどれが重要度が高いかを見極めることができたと
  きに初めて、競馬で確実にプラスを出していくことができるのです。
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Q:強い競馬とは、どんなレース内容でしょうか?タイムが速い、不利があったのに勝ってしまったなど
  があると思いますが、どうでしょう。あと、レースを見るポイントも教えてください。
A:私の競馬人生の中で最も”強い”と思ったレースは、平成3年の桜花賞を制したシスタートウショウの
  それです。超ハイペースの好位を持ったまま進み、4コーナー前から進出して先行馬を潰し、直線も
  脚色は鈍ることなく後続を圧倒しました。やや重で1分33秒8の時計も素晴らしいですし、ものすごい
  衝撃を受けたのを覚えています。同じようなレースだったのが、平成6年の皐月賞のナリタブライア
  ンですね。私はこの2つのパターンのような競馬が”最も強い競馬”であると思います。レースを見る
  ポイントとなると多すぎて説明しきれないのですが、一つだけ挙げてみます。上の2つのレースを参
  考に、勝負どころの4コーナーでの手ごたえに注目してみてください。この地点はほぼ全馬が加速
  に入るところです。ここで手ごたえ良く上がっていく馬は相当な脚力を持っていることになります。も
  し、ハイペースのレースでそんな競馬をして直線でバテてしまった馬がいたら、次走で絶好の狙い
  目となるので、覚えておいて損はないでしょう。
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Q:なぜ、全くの未出走の新馬戦に関し、「不確定要素が多くて勝負できない」という専門家が多いので
  しょうか?本命サイドの決着で終わる確率が高く、私個人も馬券的中率が一番高いのですが・・・。
A:たとえば新馬戦と500万条件戦を比べると、専門紙の記者も的中率が高いのは新馬戦です。ただ、
  それは全レースを集計しての結果であり、的中率の低い500万条件戦でもレースを絞り込めばその
  率は格段に上がります。「力の抜けているであろう馬」、そして「実際に力の抜けている馬」、比べれ
  ば後者により信頼度を寄せたくなるのは当然のことですね。これまで一戦もしていない馬の場合、
  攻めで豪快な動きを披露しながら実戦で少しも動けないということが少なくありません。専門紙の記
  者が「不確定要素が多い」というのは、そんな分からない部分があるのに強くお客さんに推奨できな
  いということを言っているのでしょう。全体の率はともかく、1レース単位で見れば、確実性の高いレ
  ースとなると新馬戦ではないのです。これは、あくまで私個人の主観ですけど。
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Q::9月8日から関東開催は舞台が中山競馬場に移ります。直線が日本一長くなった新潟で積極的に逃
  げ、その長い直線で捕まってしまった馬に狙いをつけているのですが、どうでしょうか。
A:新潟から中山へコースが替われば、先行馬が有利、これはファンだけでなく、調教師や騎手も考え
  ることです。そうなると、いつもの中山以上に先行争いが激化する可能性があります。いくら直線が
  短く開幕したての速い馬場でも、極端なハイペースになれば差し馬が台頭してくるのは当然のことで
  す。むやみに先行馬を狙うのでなく、単騎で息を入れて走れる馬をみつけて狙い撃つのが良いので
  はないでしょうか。そこで注意したいのは、特に新潟外回りで普段は先行できない馬が逃げるケー
  スが多くあったことです。私個人は逆の目で見て、長い直線と広い馬場だったからこそ気分よく走っ
  て好走できた差し馬を嫌うことで好配当的中につなげようと思っています。狙い方はいろいろとあり
  ますが、この作戦はいかがでしょうか。
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Q::休み明けの馬の取捨のポイントを教えてください。
A:気になる方も多いと思いますが、これだという答えを出すのは非常に難しいですね。休養といって
  も、その形は100や200で済みません。また、仕上げに関しても数え切れないほどの方法があるでし
  ょう。それを踏まえた上での取捨のポイントですが、結局のところ攻めの量、動き、厩舎コメントとす
  べてを総合的に分析するしかありません。競馬新聞に載っている調教短評や調教師のコメントなど
  をじっくりと吟味するのが最良の策です。また、鉄砲駆けするタイプですが、気性的なものが大きな
  ウエイトを占めます。気性が前向きな馬は攻めでも一生懸命走って仕上がりが早いですし、実戦で
  も動くことが多いです。逆にとぼける面がある差し馬などは、レースを使っていかないと力を出し切
  れる状態になりません。この点によく注意してください。なお、去勢手術明けの馬はほとんど無条件
  で切り捨てて構いません。去勢するには全身麻酔が必要で、立て直すのは非常に大変です。少し
  あいまいな答えになってしまいましたが、これからは以上のことを参考に検討してみてください。
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Q::返し馬を見るときは、どんな点に注意すればいいですか?
A:以前パドックの見方について書きましたが、「返し馬の見方」も同様に難しいものです。細かいことを
  言い出せばきりがありませんので、ポイントをひとつだけ述べることにします。
   返し馬では、とにかく馬の気分を見てください。のびのびと気持ち良さそうに走っていたら、それで
  レースで好走する確率は飛躍的に高くなります。どこか痛いところがあったり、気分を損ねている馬
  は、返し馬の段階で騎手と同調してスムーズな動きを見せられないものです。また、短距離のレー
  スなら気合が乗っていたほうが良いですし、長距離のレースなら落ち着き払っている方が好ましい
  ですね。
   返し馬もパドックと同じで、しつこいぐらいに観察して見る目を養っていくしかありません。前走のと
  きにはどうだったかの縦の比較が重要なので、継続してみることも必要です。なかなか奥が深く面
  白いので、勉強してみてはどうでしょうか。
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Q::前走と違う条件で穴をあける馬がいます。たとえば芝からダートに替わった時や、距離が延びたり
  短縮されたりした時です。どうゆう面がプラスになって走るのですか?
A:競馬において万能型の競走馬というのは基本的には存在しません。確かに色々な距離、コース、
  そして芝・ダート、これらをまんべんなく走る馬はおり、これを万能型と呼ぶのは間違いではないでし
  ょう。しかし、そんな馬でもベストの距離なりコースなりは確実にあるはずです。他の条件で走ったと
  したら、それはうまく折り合いがついたとか、相手が弱かったとか、必ずや好走したワケがあるもので
  す。
   そのベストの条件の見極めは非常に重要なことです。過去の実績やレースでの折り合いを見て、
  どのような状況下において各出走馬が全能力を発揮できるかを考えてください。もし、過去にダート
  で2勝している馬がいたとして、最近は芝ばかりを走っていたとします。その時は芝での結果は無視
  して考えるべきです。参考にするのは、「実績のない芝でこれだけ走ったのだから」とか、そんなケ
  ースですね。状態等を計る要素にはなるでしょう。特に芝での着順が悪い時など、人気は極端に落
  ちるので馬券的には絶好の狙い目となります。距離短縮、距離延長に関しても同じことが言えるでし
  ょう。結局は過去の走りを覚えていたり、調べ上げたりした者が馬券で勝つものです。「競馬は記憶
  のゲーム」と呼ばれるのは、このあたりから来ているのです。
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Q::GTでは下級条件でいい勝ち方をして来た馬に人気が集まることがよくあります。レースで好走でき
  ないことが多いですが、こういう昇級して来た馬の取捨のポイントを教えてください。
A:競馬には無数のファクターがあり、基本的には“決定打となるような一つのポイント”というものは存
  在しません。それはGTに挑戦する上がり馬についても同じなのですが、一つだけ“参考にすべきポ
  イント”を挙げてみたいと思います。
   それは、近走の競馬の“ペース”です。もし、前のレースで強い競馬をしていたとしても、スローの
  中での結果だったら評価すべきではありません。いい例が先日エリザベス女王杯に出走したスプリ
  ングチケットでしょう。前のレースと3走前にすごい瞬発力を発揮して圧勝していましたが、それもゆ
  ったりと追走して息が残っている状況での結果でした。GTの流れはそんなに甘くありません。阪神
  2200だった前のレースの1600通過が1分38秒5、エリザベスでの同馬の1600通過が1分36秒7、通
  過ラップがこれほどまでに違えば、伸びる余力がなくなってしまって当然でしょう。GTに出走する上
  がり馬の中では、ハイペースの激戦でいい競馬を見せた経験がある馬を狙ってください。そういった
  底力がなくては頂点の戦いで好走することはできません。前のレースで激戦の中を頑張っていた
  馬、ちょうど菊花賞で2着に逃げ粘ったマイネルデスポットがそうでしたね。
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Q::前走でレコード勝ちした馬の取捨について教えてください。どちらかと言うと、凡走するケースが多い
  気がするのですが…。
A:同じレコードでも、価値のあるものもあれば、あまり意味のないものもあります。芝にしろダートにし
  ろ、当日の馬場状態がどうだったが重要なポイントになりますし、たとえばローカル場所の芝1800の
  2歳レコードなどになると、レース数が少ないために簡単に破られてしまったりします。最近では阪
  神芝1400でレコードを出したタガノチャーリーズが次走でGV3着、その次のレースで2着。それとタ
  イレコードをマークしたローマンエンパイアが次走でGV勝ち。その京成杯では前のレースで中山芝
  1800のレコードを更新したブリガドーンが3着に健闘。なかなか頑張っているように思うのですが、ど
  うでしょうか。「凡走するケースが多い」と感じるのは、過剰な期待をかけすぎだからかと思います。
  大抵の場合はレコードを出した次のレースは相手が上がり、距離も延びているので、凡走する可能
  性が高いと考えるのが普通なのです。レコードを出した時の条件、そして相手関係や距離適性を入
  念にチェックして結論を出してください。なお、3歳以上のレコードに関してですが、これは文句なく高
  い評価を与えて良いと思います。なかなか出るものではありませんが。
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Q::人気薄の逃げ馬が勝つ時は、後ろの騎手から目標にされにくいので気持ち良く走り切ってしまうと思
  うのですが、他にはどのような原因が考えられますか?
A:やはり何と言っても一頭で気分良く走れることが大きいですね。ご存知の通り、馬は非常に繊細な
  生き物で、周りに他の馬がいると気を遣って息が入りにくくなります。前崩れになったレースの場合
  でも、差して来るのは道中でポツンと揉まれず走っている馬であることが多いことからも、それが分
  かると思います。
   また、逃げ馬は切れ味があるからこそ逃げることができます。逃げ馬はその切れ味を先に使って
  いて、差し馬は切れ味を最後に使っているだけなのです。よって、逃げ馬に余力を残され、直線でも
  シッカリ伸びたら、後ろの馬がつかまえることは難しくなって来ます。
   こんなシーンもよく目にします。4コーナー手前で逃げている馬が手綱を持ったままの手応えなの
  に、後続が必死に追っているというシーンです。もちろん先に追い出した方が早く苦しくなりますが、
  それなのに前にいる逃げ馬が後から追い出すのですから、有利であるのは当然ですね。
   以上が一部ではありますが、人気薄の逃げ馬が逃げ切る時の原因です。レースを作っているの
  は逃げ馬を含めた先行馬であり、それを深く知ることで“展開の読み”の精度が飛躍的に上がること
  を最後に付け加えておきます。
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Q::レース展開の読み方について教えてください。
A:この一問一答のコーナーには、このような質問が多数寄せられています。少し質問の趣旨から外れ
  てしまうのですが、それらを読んでいて思ったことがあるので記していこうと思います。
   みなさん自分なりの展開の読み方を書いているのですが、「この馬が何秒のラップで行くから流れ
  が速くて差し有利になる」とか、「この騎手に乗り替わったから今度は積極的に行くだろう」とか、「馬
  自身の気持ち」を除いた形で考えている方が多いのは気になります。実は「馬の気性」は展開読み
  だけでなく、競馬すべてにおいて重要なものなのです。例えば、いくらオープン級の素質があって
  も、もし「走る気がまったくない馬」だったら未勝利を勝つこともできないでしょう。そんな不真面目な
  性格は「目つき」に表れるため、馬主が競走馬を購入する際に一番初めにチェックするのは実は
  「目」なのです。
   もちろん競走馬は傲慢な人間にすべて従うわけではないので、レースに行って途中で意欲が出れ
  ばガツンと前に行ってしまいます。騎手が抑えようとしてもです。これが、いわゆる「折り合いを欠く」
  という状態ですね。もしスローの流れと読んだとしても、2番手に騎手に逆らうタイプの馬がいたとし
  たら、掛かって行ってハイペースになってしまうこともあるでしょう。とにかく馬の気持ちを読むクセを
  身に付けて下さい。展開を読み当てる精度が格段に上がりますし、競馬事自体が分かり、馬券の的
  中率も大きく進歩していくものと思います。
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Q:長距離に向く馬、短距離に向く馬の見極め方があったら教えください。
A:これには肉体的な問題と精神的な問題の両方が関わってきます。肉体的な問題では、「胴の長さ」
  に注目してください。胴が長ければ必然的に飛びが大きくなり、同じ距離を走るにも全体の歩数が少
  なくて済みます。これでスタミナのロスは少なくなりますね。逆に、胴が短い馬はいわゆるピッチ走法
  になり、全体の歩数が増えてしまうのです。また、ピッチ走法の方がスピードに乗りやすいので、そ
  んな意味でも胴が短い方が短距離向きと言えますね。
   次に精神的な問題ですが、こちらの方が距離適性を分ける際に占める割合は高いと思います。当
  然のことですが、一生懸命に走る馬は短距離向き。のんびりと走る馬は長距離向きです。これを見
  分けるには、とにかくレースを見てそれぞれの馬の走りを覚えることです。また、実際のレースを見
  なくとも、調教で速い時計が出る馬は短距離向きであることがほとんどですね。
   血統的な問題を気にする方も多いでしょう。もちろん重要度が低いわけではありませんが、キャリ
  アが浅く、適性が判然としていない場合に「適性を予測する」といった意味合いで考える程度でいい
  と思います。「自分の目を信じる」ことができれば、それがベストですから。  
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Q::最終コーナーを楽な手応えで回って健闘した馬と、早くから追い出しを始めて健闘した馬。次走で狙
  えるのはどちらですか?
A:レース全体の展開や4コーナーに至るまでの経緯で変わる面があるので、ハッキリどちらが次に狙
  えるという答えは出せません。抜群の手応えで回ってきたのなら勝たなくてはいけないところです
  が、それで伸びを欠いたら、追って甘いタイプなのか、距離が長いかのどちらかでしょう。もちろん前
  半で脚を使っていたら話は別ですし、坂が応えたなど他の原因も考えられます。一方で、早めに手
  綱を押し始めたケースは、その時点でもうバテ気味なので追うしかなくなったか、回りのペースアッ
  プについて行けなくなったかのどちらかの可能性が高いです。それで最後で伸びてきたら根性のあ
  るタイプとみて良いですね。重要なのは実際にレースを目で見て、その馬がどんなタイプかを見極
  めることです。そして、次走でレースがどんな流れになるかを予測し、その馬がそのレースに合う走
  りができるのかを読まなくてはなりません。
   おそらく、単純に4コーナーで手応えの良かった馬ばかりを次走で狙っていれば馬券はかなり的
  中するでしょう。ただ、型に嵌まった買い方では所詮限界があるので、馬の“個性”を見る目を養うこ
  とをおすすめします。
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Q::最近は久々の馬を放牧先で仕上げてから入厩させるケースが多く、トレセンでの調教回数や時計に
  あまり意味がありません。このような馬に対する馬券作戦のコツを教えてください。
A:この手の質問が他にも多く寄せられています。最近は1年ぶりや2年ぶりで好走する馬をよく見かけ
  ますが、ほんの数年までは考えられないことでした。1年休んでいて勝ったりしたら新聞の記事に
  なって大騒ぎされたものです。プールや坂路の導入による調教技術の急激な進歩、そして外厩の
  整備、この2つが大きな要因でしょう。ご質問にあったように予想する方にとっては悩まされる状況で
  あるわけですが、その進歩自体は喜ぶべきことなのではと思います。
   レース前日までの段階では、新聞に書かれている調教師のコメントを信じるしかありません。そし
  て、当日に馬体重をチェックし、パドックで気配を確かめ、そこで結論を下す。結局は以前と同じで、
  このごく当たり前の作業をするしかないのです。そこに、攻め不足だから切り捨てることをしない少し
  寛容な気持ちを付け加えれば良いのではないでしょうか。
   いくら放牧先で乗り込んでいるといっても、トレセン入厩後にビッシリ攻められている方が良い結果
  が出ることは間違いありません。それだけは忘れず、コメントや調教のチェックに励んでください。
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Q::降級馬に関して、素直に狙っていいのか、それとも危険なのか、その見極め方を教えてください。
A:降級馬は1レースに必ず1頭だけいるというわけではありません。もちろん、いない時もありますが、
  大抵の場合は数頭いますね。人気になるケースがほとんどですし、その降級馬たちを中心にレース
  が動くことになります。そう考えると、クラスが上の馬が落ちてきたというより、他の馬が上のクラスに
  挑戦すると捉えるのが自然なのかも知れませんね。
   その降級馬たちの取捨ですが、これは様々なファクターを検証しつつ予想して結論を出すという普
  通の作業を行うしかありません。例えばクラス改編が行われた初日、福島9Rでドリームシンデレラ
  はかなり強引な逃げで2着に粘りました。同馬は福島1200を得意とする芝のスプリンターですが、前
  のレースは1000万クラスの府中ダート1600という条件でした。しかも久々だったわけで、今回は叩き
  2戦目、降級、府中ダート1600→福島1200と好材料がこれでもかと揃っていたことになります。前走
  は明らかな叩き台で、ここが勝負だったことが分かりますね。中間のビシビシと追われた稽古からも
  それがうかがえます。
   一方で10Rでは同じく久々を叩いて降級だった断然人気のパシオンノーブルが3着に敗れて波乱
  となりました。敗因は叩き2戦目でも中間に弱点である足元の不安が出て少し楽をさせていたこと。
  そして、連対した既存の500万下の勢力が予想以上に力をつけていたことの2つでしょう。
   結局は能力比較、状態把握、展開の読みと普通のことをするしかなく、変にひねって考えない方
  が良いかと思います。あまり降級馬だからと意識を集中させず、レース全体を冷静に見ることをおす
  すめします。
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Q::地方から参戦するいわゆる”カク地馬”の狙い方を教えてください。
A:函館開幕日のメインレースでカク地馬が穴を開けました。道営所属のヤマオロチという馬でしたが、
  実績を調べ上げれば買えないことはなかったと思います。2走前に大井の3冠レース・羽田盃でハ
  ナを叩いていますし、2歳時にも中央の芝に挑戦して、後にG2を制すキタサンヒボタンの2着した実
  績があります。中央で走った経験があるのなら、それを元に実力を計ることができますね。
   中央初参戦、特に初芝の場合は評価が難しいのですが、芝に使ってくる以上は陣営が軽い馬場
  への適性を感じているのでしょう。走りっぷりをビデオ等で確かめられれば理想なのですが、それが
  できない場合は適性があると考えておいた方が良いかと思います。
   確実に言えるのは、カク地馬は人気がないということです。前回も中央で好走しているケースでも
  極端な人気にはなりませんし、初参戦の場合はなおさらです。それならば他を軸に取るとしても、ち
  ょっぴり押さえておいてはどうでしょうか? 馬単、3連複も本格発売になりますし、超高配当が獲れ
  るかもしれません。
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Q::馬体重の増減は何キロまでがレースに影響するのでしょうか。
A:何キロ以上の増減だったら切り捨てようといった線引きをすることはおすすめできません。競走馬は
  体調管理が難しい生き物です。同じ10キロ増でも、マイナス材料になることもあれば、プラス材料と
  考えて良い場合も出てきます。
   昨年の年度代表馬マンハッタンカフェを例に挙げてみましょう。菊花賞を目指して充電し、昨年の
  夏に4ヵ月ぶりにターフに帰ってきたときは、何とプラス46キロという馬体重でした。それで結果は1
  着です。実はデビュー当時の体に戻っていただけなのですが、マンハッタンカフェを詳しく知ってい
  れば「プラス材料」として捉えることができたわけですね。
   460キロで好走歴が多い馬体重の安定した古馬が久々で474キロだったら少し太いのでしょう。そ
  こから中2週で10キロ絞れれば結果を出してくるかも知れません。しかし、除外があって中5週でプ
  ラス2キロになっていたら、まだ絞り切れていないと推測できます。レースに至るまでの状況は馬に
  よって大きく違います。ちょうど現役で活躍中のカオリジョバンニという関東馬のローテーションと馬
  体重、そして成績の相関関係を調べてみてください。勉強になるかと思います。
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