7:予想について         1/2                           ⇒質問はこちらから
Q:レースを復習する時に、どういうところに注意して見ればいいかイマイチわかりません。やっぱり全頭
  チェックしたほうがいいんでしょうか? 何かポイントがあれば教えてください。⇒Aへ
Q:馬単の買い方はどのようにしたらよいのでしょう? 裏表の比率や、馬連との兼ね合いのつけ方など
  を教えてください。⇒Aへ
Q:サイレンススズカやショウナンカンプなど、逃げ馬の買い時、消し時について教えてください。⇒Aへ
Q:トラックマンやプロの馬券師の方は新馬戦を予想する時にどんなファクターを基にしているのです
  か?私たち素人は新聞の予想の印しか参考にできないので…。⇒Aへ
Q:馬の状態に関して、厩舎関係者のコメントがレース前とレース後で微妙に違うことがあります。
  特に結果が出なかったときに多いと思いますが、本音を事前に読み取る方法はないのでしょうか?
  ⇒Aへ
Q:「3連複」をうまく勝負馬券に取り込めません。効率的な購入方法があったら教えて下さい。⇒Aへ
Q::直線での競り合いで外の馬が勝つことが多いのは何故ですか? 馬の性質と何か関係があるので
  しょうか?⇒Aへ
Q::芝1800の持ちタイムを見て、そのままあと200メートル走ったら2000でいい記録が出るのではないか
  と思うのですが、そううまくいかないのは何故ですか?⇒Aへ
Q::レースにはハンデ戦とか、定量戦とかありますが、1キロの斤量の違いで走破タイムにどの程度の
  影響が出るのでしょうか?⇒Aへ
Q::1レースを予想するのに、どのくらいの時間をかけているのですか?⇒Aへ
Q::重馬場の得意な馬と不得意な馬がいますが、それを見分ける方法はあるのでしょうか。⇒Aへ
Q::15年前とかのレースを見ると、出走馬の頭数が10頭から多くて12、13頭です。ここ数年はフルゲー
  トのレースばかりですが、本命党の私としては紛れが多くて馬券が的中しづらいと思っています。予
  想の上で出走頭数をどう検討材料に取り入れたらいいのですか?⇒Aへ
Q::各馬のレース内容などを競馬新聞の馬柱に書き込んでいるのですが、積み重なっている新聞の中
  から探し出すのが大変です。つい面倒になり、資料をうまく活かしきれません。プロの方はどのよう
  にまとめているのですか?⇒Aへ
Q:レースが荒れるかどうか、どのあたりの要素を重視して見きわめればいいでしょうか? 荒れる傾向
 があるレースだから、牝馬限定戦で多頭数だから、休み明けの馬が多いから、新聞に“波乱必至”と
 書いてあるからなどの理由で穴を狙うと人気馬同士の決着になり、逆に順当と思ったら伏兵2頭が飛
 び込んで大万馬券になったりして、どうもかみ合いません。ヒントをください。⇒Aへ


Q:レースを復習する時に、どういうところに注意して見ればいいかイマイチわかりません。やっぱり全頭
  チェックしたほうがいいんでしょうか? 何かポイントがあれば教えてください。

A:予想に対するアプローチ、買い目を決定するにいたる過程は100人100様。具体的なアドバイスはで
  きないけれど、参考になる−であろうこと−を少し。
  レースをボーッとながめるだけ。これが一番いいのではと思う。週刊誌をたずさえて、ペースの確認
 とか、レース内容とジョッキーの話とを合わせ見る作業とかもできたら理想だが、何はさておきレース
 を目で見て脳に入れたい。それでいろいろなことがわかってくる。
  たとえば馬の気性、特性。ここにAという馬がいる。紙媒体で通過順を見て【10−10−10−10】と
 なっていたとして、ズブくてついけいけなかったのか、行きたがるスピードがあるのをなだめてそうなっ
 たのかがわからない。それも映像で見れば一目瞭然だ。
  逃げ馬にしたってそう。同じ【1−1−1−1】からの5着でも、直線に入ってすぐに並ばれて粘りを見せ
 たのと、100mまで先頭で急に脚が止まったのとでは意味合いが違う。次に走るときに重要な情報に
 なるだろう。
  ちなみに『最強の男の100万馬券予想』では、メインレースに関して、残り200mの地点での通過順を
 入れた《最強の競馬新聞》を提供している。特に下級条件戦で、「これは次は勝てる」とか「これは距
 離が短くなれば走れる」などということがわかるのも大きい。
  ちょうど先週の土曜の中山競馬、その1Rに出走したパッションルンバ。同馬はデビュー戦で中山
 ダート1800mを使い、今回が2戦目の競馬だった。
  初戦の走りがとにかく良かった。大外枠からスピード感十分に好位の後ろにつけ、道中も抜群の追
 走感だった。3コーナーでも持ったままで、「これは走るな」という印象を見る者に与えた。しかし、
 4コーナーに来ると急にガス欠を起こし、派手に止まってしまう。結局は4秒7も負けた。でも、距離が縮
 まれば一変するであろうことは確実だった。
  2戦目は連闘で1200mを選んできた。そこでパッションは積極的にハナを奪い、3着に残った。複勝
 が520円ついた。いい配当だった。
  なぜパッションは人気がなかったのか? 初戦の負けが大きすぎたこともあるが、何のことはない、
 人気を作る競馬新聞とスポーツ紙の記者たちが、そこまで細かく見ていないのである。土日の競馬が
 終わると、頭は次の週末に映ってしまい、レースを見直したりしない記者がほとんどだ。これは経験に
 基づいた話である。
  そもそも3場で開催があれば、レース数は1週間で72にもなる。出走馬は1,000頭を超えたりするか
 ら、その一頭一頭をチェックすることなど不可能だ。時間が足りないし、人間の処理能力をオーバー
 するだろう。
  だからボーッと見ているだけでいい。通してVTRを回して約3時間。これならほかに仕事を持ってい
 る人でもこなせるだろう。気になる走りをした馬がいたら書きとめておく。これだけで十分だ。
  ほかに、どんな不利を受けたかとか、ジョッキーの性格とか、あるいはうまいへたとか、引っ張った
 馬(いい話ではないが、いわゆるヤラズ)まで、さまざまなことがわかってくる。
  これを習慣にすれば、競馬自体の勉強にもなるだろう。競馬がどんな組み立てで成り立っているの
 かが理解でき、展開の読みの確実性が増すはずだ。
  競馬は机上のゲームではない。視覚的に見てこそ、得るものがあるのである。
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Q:馬単の買い方はどのようにしたらよいのでしょう? 裏表の比率や、馬連との兼ね合いのつけ方など
  を教えてください。

A:馬単と3連複の買い方は私も勉強段階です。とりあえず3連複は遊びの馬券であり、勝負に使うもの
  ではないと思っています。馬単は南関東がそうであるように、今後は主力の馬券になっていくでしょ
  う。その新馬券を含めた馬券の攻め方ですが、決まった型を持たず、その時々に応じて縦横無尽の
  買い方をすることをオススメします。質問の答えになっていないかも知れませんが、決まった型での
  買い方では自ずと限界が訪れてしまうものです。
   例えば1着馬がほぼ堅く、2着もほぼ大丈夫といったケースを想定します。買い方として、単勝1点
  勝負、単勝2点買い、単勝1点に馬連1点、単勝1点に馬単の裏目、単勝1点にワイド1点、単勝2点
  にワイド1点、馬連1点にワイド1点、馬単の裏表、馬単の表に2番手の馬の単勝押さえ、2頭を軸に
  した3連複流し、その他、枠連を絡めることもできますし、たったひとつの決まり手を狙う場合でも、こ
  れだけ馬券のバリエーションが出てくるのです。
   あとは自信度と配当の問題です。面倒ではありますが、すべてのオッズをチェックして最も効率の
  良い買い方を見つけてください。これまではいくら自信があってもオッズとの兼ね合いで買い目や狙
  い目を変えざるを得ないことがあったかと思いますが、馬券の種類が増えたことによってそんなケー
  スが減るのはありがたいことです。
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Q:サイレンススズカやショウナンカンプなど、逃げ馬の買い時、消し時について教えてください。
A:まず、「逃げ馬」、「差し馬」といった言葉に惑わされないように注意してください。ショウナンカンプな
  ど、私には「逃げ馬」という印象はまったくありません。芝に舞台を替えてから3連勝で高松宮杯をも
  制しましたが、それ以前の3勝は好位から抜け出して挙げたものです。絶対スピードの違いでハナ
  に立つことが多いですが、揉まれ込んで気分さえ削がれなければ差すこともできるのです。
   「逃げ馬」の取捨は、まず、その馬が最大限に能力を発揮できる舞台かを確かめることです。そし
  て次に、レースで気分良く走れる状況になるのかどうかを考えてください。前者に関して言えば、ショ
  ウナンカンプの函館スプリントSなど良い例だったと思います。ショウナンカンプの武器は軽い馬場
  で映える驚異的なスピードです。ダートでも脚抜きの良い馬場で強いですし、芝でも平坦コースで最
  大限に力を発揮します。今年の函館、特にローラーを掛ける前の1回函館3週目は極度に重たい芝
  で、明らかにショウナンカンプ向きではありませんでした。逃げざるを得ないプレッシャー、本気を出
  す必要がないレース、と他のさまざまな要因もありますが、直線で失速して当然だったとも言えるの
  です。
   また、気分良く走れる状況になるかを考える時には、特に枠順に注意して下さい。雑に言ってしま
  えば、競馬は外枠有利です。新聞のコメントを見ていると分かりますが、「内枠を引きたい」というも
  のより「外枠を引きたい」とのコメントが圧倒的に多いですね。先行馬が2頭いたとして、外からプレッ
  シャーをかけられる可能性が高い内の枠を引いた馬より、その馬の出方を見ながらジックリ構えて
  乗ることができる外の枠を引いた馬の方が好走する確率が高いのです。とはいっても、その内の先
  行馬、外の先行馬が1番手、2番手で後続のプレッシャーを受けずに気分良く走れる状況だったら、
  いわゆる「行った行った」になるケースがでてきますね。
   競馬は展開です。そして、杓子定規で測れぬ複雑なものです。今回、このコラムに書いたのも展
  開のほんの一部でしかありません。「逃げ馬」にもいろんなタイプがいて、「差し馬」にもいろんなタイ
  プがいて、それらが絡み合ってレースが出来上がります。非常に奥が深いものですが、展開の読み
  こそが競馬の醍醐味であり、展開を読めるようになれば馬券の的中率も飛躍的にアップしますので
  頑張って勉強することをおすすめします。
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Q:トラックマンやプロの馬券師の方は新馬戦を予想する時にどんなファクターを基にしているのです
  か?私たち素人は新聞の予想の印しか参考にできないので…。
A:「競馬研究」に籍を置いていた者として述べると、まず、新馬戦の予想において素人が新聞の印しか
  参考にできないというのは大きな間違いです。「競馬新聞」とは予想と共に「情報」を売っています。ト
  ラックマンがつかんでいる「情報」は商品として競馬新聞に掲載されており、それで競馬新聞社はお
  客様からお金をいただいているわけです。血統、調教時計、調教短評、関係者のコメント、様々なフ
  ァクターが掲載されていますが、トラックマンもこれらをファクターとして検証し、予想を組み立ててい
  るのです。特別な点と言えばトラックマンは間近で調教の動きを見られることですが、これも調教を
  行う場所が各馬で違うので、十分に比較できるほどのデータを持っているわけではありません。
   分かりづらいのは各ファクターの重要度の差でしょうか。例えば関係者のコメントに「勝ち負けにな
  るよ」というものが2つあったとして、そのどちらがより強気なのかは確かに微妙ですね。そのあたり
  は競馬新聞の本紙予想かプロ馬券師の予想を見て判断するのが良いかと思います。
   新馬戦とは不確定な部分が多くて難しいものですが、逆に面白い馬を発掘する楽しみもあります
  ね。まず、人の印を気にせず、自分で印を打ってみることをおすすめします。そうすれば予想の精度
  は確実に上がっていくはずです。
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Q:馬の状態に関して、厩舎関係者のコメントがレース前とレース後で微妙に違うことがあります。
  特に結果が出なかったときに多いと思いますが、本音を事前に読み取る方法はないのでしょうか?
A:非常に難しい問題です。申し訳ないのですが、方法はないというのが正しい答えでしょう。まず、人の
  話というのは、実際に目の前で聞いていないと細かいニュアンスが分かりません。私は競馬新聞に
  勤めていましたが、トラックマンが書いた原稿を編集の人間が読みやすいようにとか、文字数が合う
  ようにとか手を加えていくと、話し手が言いたいことズレが出てきてしまいます。そのあたりに気を
  遣っていても正確な表現をするのは困難です。
   また、馬の状態とは刻一刻と変化しており、どの時点で話を聞いたかによって内容が大きく変わっ
  てきます。水曜日の追い切りの話が「まだ重い」だったのに、その追い切りで一変して、木曜には「絶
  好の状態」となることがありますし、その逆で追い切ってコズミが出てコメントが悪くなってしまうケー
  スもあります。
   誰が話しているかということにも注意しなければなりません。いろいろな新聞のコメントを見比べ
  て、助手が「仕上がりひと息」、調教師が「力を出せる状態」と言っている場合があります。これは、2
  人のどちらかウソのコメントを出しているのではなく、2人の状態に対する感じ方が違うだけのことで
  す。
   とにかく情報は新しいものを手に入れてください。前日の朝追い後のコメントが出ている新聞を買う
  のが良いかと思います。あとはコメントを全面的には信頼しないこと。仕上がりや状態は、ローテー
  ションや攻めの時計、記者の調教解説などを総合的に見て判断すべきです。あまりいいアドバイス
  ができないのですが、以上のことを参考にして下さい。
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Q:「3連複」をうまく勝負馬券に取り込めません。効率的な購入方法があったら教えて下さい。
A:3連複に関して色々と話を聞きますが、一致しているのが「買い方が分からない」、「儲からない」とい
  うものです。私も実験的に様々な購入方を試しています。しかし、正直なところ、これといった買い方
  は見つかっていません。当然といえば当然なのですが、獲れる3連複は配当が安いですし、超高配
  当が出るから面白いと言われても、そんな馬券は当てるのが困難です。
   現時点で漠然と考えているのは、3連複は所詮遊びではないかということです。例えば4頭を上位
  に見たとして、3連複のボックスを4点買うより、馬連ボックス6点、またはワイドでボックス6点を買っ
  た方がいいのではと思うのです。馬連のボックスなら3着馬が狂っても馬券は当たり。3連複だった
  ら外れです。逆に考えて3連複が当たるなら、必ず馬連は当たっているわけです。ワイドのボックス
  なら3点的中がありますし、1頭選択ミスがあっても1点だけは当たってくれます。かなり幅がありま
  すが、ワイドの配当を3点すべて足すと、3連複の配当の2分の1から4分の3程度。押さえが利くこ
  とを考えれば、それでも悪くないと思うのですが…。
   ひとつ言えることは、結局、上位に来る馬を正確に予想できないことには、どんな馬券も当たらな
  いということです。新馬券導入後はどの馬券を買うかばかりに集中している人を多く見かけますが、
  もっと他の部分に力を注いだ方が良いではと感じます。
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Q:直線での競り合いで外の馬が勝つことが多いのは何故ですか? 馬の性質と何か関係があるので
  しょうか?
A:皆さんご存知のように、サラブレッドとは非常に繊細な生き物です。激しい競走に耐え得るまでに精
  神的に鍛えられてはいるのですが、それでも気の弱さを出して負けるケースが多いのが現実です。
   ご質問にあった競り合いで外の馬が勝つことが多い原因も、そんな馬の性格からきています。内
  ラチ沿いを競っている場合を考えると、外の馬は内に馬がいて外側には何も障害がないわけです
  が、内の馬はその内にラチがあり、そして外に馬がおりと挟まれる形で二重のプレッシャーを受けて
  います。嫌気がさして下がるケース、余分にスタミナを消費して下がるケースの2つがありますね。
   また、挟んでいる物がラチと馬でなく、馬と馬だった場合は深刻です。プレッシャーはより大きくな
  り、3頭併せの追い比べなどでは、真ん中の馬が真っ先に脱落するケースがほとんどです。スター
  ト後の先行争いでも、3頭雁行の形になったら真ん中の馬が圧倒的に不利ですね。
   そんな要素も一つのファクターとして予想に組み入れて下さい。直線でどんな形になるかまではさ
  すがに予想できませんが、レース序盤の攻防を枠順を吟味しつつ予想するのは重要なことなので
  す。
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Q::芝1800の持ちタイムを見て、そのままあと200メートル走ったら2000でいい記録が出るのではないか
  と思うのですが、そううまくいかないのは何故ですか?
A:現在、芝1000メートルの日本レコードはカルストンライトオが新潟で記録した53秒7ですが、これを
  2倍すると1分47秒4になります。しかし、芝2000のレコードはツジノワンダーが同じく新潟で出した
  1分56秒4。両者の間には9秒もの開きがあるわけで、それほどまでに距離によって必要なスタミナ
  量は違うのです。
   200メートルとはいえ馬鹿にはなりません。人と馬では基準が違うとはいえ、よくよく考えたら大変
  な距離です。芝2000を芝1800のつもりで走ったら、残り200メートルでバタバタになり、良い結果が出
  せないばかりでなく、馬にも相当な負担を与えることになるでしょう。距離が200メートル違えば、そ
  れだけ途中で減速することが必要なのです。
   “全力疾走できる距離”というのが極端に短いことも覚えておいてください。これを聞いて競馬感が
  ガラリと変わる方もいるかと思いますが、サラブラッドが本当に全力で走れる距離は50メートルで
  す。大目に見て、ある程度は全力で走れる距離が300メートルでしょう。これは何も不思議なことで
  はありません。42.195`もの距離をすごい速さで走る高橋尚子でも、トラックをスタートから全速で
  走ったら、200メートルもいかずにバテるに違いないのです。だからこそ、競走馬が芝1800を走り、そ
  のまま芝2000まで速いスピードを持続させて走ることなどできないのです。
   また、この全力疾走できる距離の短さが“展開”が生まれる原因でもあります。スローペースで追
  い込んで届かなかった時に、「もっと早く仕掛けていれば…」と感じることがあると思いますが、ペー
  スが不向きと分かっていても早く仕掛けると止まってしまうから動けないのです。
   こんなことを頭に入れて予想を立ててみてください。また、レースでも意識してみてください。きっ
  と、難解とされる“展開”の読み方が分かるようになるはずです。
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Q::レースにはハンデ戦とか、定量戦とかありますが、1キロの斤量の違いで走破タイムにどの程度の
  影響が出るのでしょうか?
A:格言として一般に伝わっているのが、「1キロ=1馬身」というものです。数字が正しいかどうかは別
  にして、斤量差がもたらす影響の大きさを表すのに適切な言葉でないかと思います。競馬はクラス
  分けをすることによって極端なまでの力差のない中で行われており、少しのことが結果を左右する
  のは当然です。1馬身違えば、「1−2」が「1−3」にもなりますし、「3−4」とまったく目が違ってしま
  うこともあるでしょう。
   以前にもこのQ&Aのコーナーで書きましたが、斤量の重い馬が走らなくなるというより、斤量の軽
  い馬がいつも以上の力を発揮すると考えるのが自然と思います。競馬とは非常に過酷なもので、背
  負っているものが軽ければ、追い比べで有利なだけでなく、道中の負担も少なくて済み、全体に与
  える影響が大きくなってくるのです。そして、斤量差が大きくなればなるほど、その影響の差は大きく
  なります。例えば4キロの斤量差の影響は2キロ差の影響の倍では収まりません。皆さんもハンデ
  戦で50キロとか51キロとかの軽量馬の好走を嫌というほど見ていると思いますが、それが当然であ
  り、馬券的な狙いもやはりそこから立てるべきなのです。
   「格上に挑戦して軽量で健闘した馬が自己条件に戻って人気になりながら凡走する」、よくあるケ
  ースですが、斤量差が及ぼす影響の重大さを示す一つの事例ではないかと思います。
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Q::1レースを予想するのにどのくらいの時間をかけているのですか?
A:競馬新聞の記者やプロ馬券師と呼ばれる人が、どのくらいの時間をかけて予想しているかは皆さん
  も気になることと思います。個人個人の予想スタイルの相違や状況の相違(時間的な制約)から、こ
  れといった正解を挙げることはできませんが、一般的な線は2〜3時間といったところではないでしょ
  うか。
   各馬の戦績のチェック、状態のチェック、関係者のコメントのチェック等、調べ上げる項目は数知
  れませんし、記憶が薄れているレースを見直したりと他にも必要なことはたくさんあります。一頭一
  頭の出走馬に関してこの作業を行い、すべてが終わったところで全体の流れを考えてと予想を進め
  ていくと、自然と2時間ぐらいは経ってしまいます。もちろん個人差はありますが、これまで競馬の世
  界で生きてきて周りの人達が予想するのを見ると、平均して2〜3時間ぐらいかなと思うのです。す
  べてのレースに関してこの時間を費やすことは現実的には不可能ですから、あまりに難しいレース
  は流して予想したり、軸が堅い場合にはサッと本命を打って相手を少しジックリ考えたりと、各人が
  適宜に方法を変えています。
   私は今でこそ予想に集中することができますが、「競馬研究」に在籍している時は原稿執筆や校
  正がより大事なことだったので、予想に十分な時間を取ることができませんでした。皆さんも仕事が
  終わったあとに予想する方がほとんどでしょうから、そう長い時間を取ることはできないのではと思
  います。そんな場合はレースを絞って集中的に予想することをおすすめします。多くのレースを流し
  て予想しても、予想自体が上達することはあり得ません。メインならメインと絞り込み、ジックリと時
  間をかけて予想し、レース後には自分の予想がどうだったのかと分析する。そんな作業を繰り返し
  ていけば、いつのまにか的中率が上がっていくものです。
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Q::重馬場の得意な馬と不得意な馬がいますが、それを見分ける方法はあるのでしょうか。
A:今はまさに梅雨の真っ只中。非常にタイムリーな話題なので取り上げたいと思ったのですが、あまり
 有効な答えを出すことができないというのが正直な感想です。それほどまでに道悪競馬は難しいもの
 なのです。
   ご存知の通りダートの道悪では基本的には脚抜きが良くなってタイムが速くなります。芝にも対応
  できるスピード馬が優位になり、また、スタミナのロスが少なくなって先行馬が活躍します。紛れが少
  なくなり、配当が低くなる傾向にありますね。
   反して芝の道悪はこの上なくやっかいです。芝そのものというより、水を含んだ地盤がボコボコに
  なり、脚は取られるは前の馬の蹴った泥は飛んでくるはで悲惨な状況になります。そんな馬場でう
  まく走れる道悪巧者がいたら信頼を置きたいところですが、そんな“道悪巧者”が泥をかぶって“道
  悪のために”簡単に負けたりするのです。
   こんな馬も少なくありません。雨がイヤ、馬場を嫌うとかでなく、空から雨が降ってくるのが嫌いと
  いう馬です。競馬新聞のコメントで見つけることがありますが、繊細なサラブレッドのこと、そんなタイ
  プもいるのです。ずいぶんと古い話になってしまいますが、10数年前に活躍したハワイアンコーラル
  という馬は雨がポツンと一滴体に当たっただけで走る気をなくしたそうです。そんな馬を見抜くのは関
  係者のコメントで見る以外は不可能ですね。
   馬券がうまい人は道悪の場合には芝のレースで絶対に勝負しません。それが間違いなく正解でし
  ょう。あえて傾向を挙げれば、泥をかぶらない逃げ馬が有利で、爪の小さい馬が悪い馬場を掘りな
  がら走れるために有利になるということですが、それも決定打にはなりません。
   芝の道悪競馬は遊び程度にしか馬券を買わない。後ろ向きに見えて、それこそが前向きなことな
  のだと思います。
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Q::15年前とかのレースを見ると、出走馬の頭数が10頭から多くて12、13頭です。ここ数年はフルゲー
  トのレースばかりですが、本命党の私としては紛れが多くて馬券が的中しづらいと思っています。予
  想の上で出走頭数をどう検討材料に取り入れたらいいのですか?
A:あくまで私個人の考えですが、“競馬”が競技として、またギャンブルとして行われるのに適切な頭数
  は12〜14頭だと思います(芝のレースで)。ご指摘にあったように16頭、18頭という頭数になると、必
  然的に不利を受けることが多くなり、馬券上の不確定要素は大きくなります。また、6頭立てとか8頭
  立ての少頭数の競馬では、ペースが落ち着きすぎる傾向にあり、スタート後の隊列のままで決着し
  てしまうケースなどが出てきます。こんな場合は少しの出遅れや不利が致命傷になりますね。少頭
  数の競馬では逆に不確定要素が増えるとも言えるのです。 
   そんな意味で適当な頭数は12〜14頭だと思うのです。レース展開が読み通りに進むことが多いで
  すし、少ないとは言えませんが不利を受けることも減ります。また、少頭数のときのような異常な低
  配当も見られず、馬券的にも買いやすいのではないでしょうか。
   最近、特に思うのですが、多頭数でばかり競馬をやっている影響が少頭数の競馬に出てしまって
  いると感じます。馬群に揉まれて力を出し切れない競馬が続き、頭数が減ったところでイキナリ好走
  するというパターンです。先日、中京の準オープン戦で穴を出したイケハヤブサなど典型的なもので
  した。
   馬券で勝負するなら12〜14頭立てのときに。多頭数なら馬券は遊び程度に。少頭数の競馬は逆
  に穴狙いに徹する。もちろん状況によって異なりますが、こんな気持ちを持って馬券を買うのもいい
  かもしれません。
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Q:各馬のレース内容などを競馬新聞の馬柱に書き込んでいるのですが、積み重なっている新聞の中
  から探し出すのが大変です。つい面倒になり、資料をうまく活かしきれません。プロの方はどのよう
  にまとめているのですか?
A:理想を言えば、頭の中に整理されているのが良いですが、膨大な出走頭数を考えると無理な話です
  ね。プロのまとめ方に関してですが、これは百人百様です。私の場合は「週間競馬ブック」の成績欄
  にレース内容を書き込み、その成績欄だけを切り取って保存しています。そして前日の予想段階で
  気になるレースがあったら引っ張り出して調べる方法を取っています。このやり方が効率的なのか
  どうかは何とも言えませんが、長い間変わらずやってきているので、「私に合ったやり方」なのでしょ
  う。他にもパソコンでデータ管理をしたりと色々な方法があると思いますが、自分に合ったやり方を
  見つけてくださいとしか残念ながらコメントできません。ひとつ「競馬ブック」のサービスで重宝できる
  ものがあるので紹介します。インターネット上で閲覧できる「編集カード」というものは過去の中央競
  馬のありとあらゆるデータをすべて見ることができます。おそらくご覧になったら驚くことと思います。
  違う会社の宣伝になってしまいますので、詳しくは書けないのですが、お調べになってみてはどうで
  しょうか。

Q:レースが荒れるかどうか、どのあたりの要素を重視して見きわめればいいでしょうか?荒れる傾
  向があるレースだから、牝馬限定戦で多頭数だから、休み明けの馬が多いから、新聞に“波乱
  必至”と書いてあるからなどの理由で穴を狙うと人気馬同士の決着になり、逆に順当と思ったら
  伏兵2頭が飛び込んで大万馬券になったりして、どうもかみ合いません。ヒントをください。
A:荒れる傾向がある レースだから=たとえば福島記念が荒れやすいのは、 ハンデ戦であり、馬場が
  悪い時期であるから。そんな下地があ ることを考えるべき。過去に荒れていたからといって、その
  年に当てはまるかはわからない。

  牝馬限定戦で多頭 数だから=牝馬限定戦は荒れるという考えを持つのは 危険。もちろん堅いレー
  スはある。頭数に関しては、多頭数よ り少頭数の競馬の方が展開上の紛れが起こりやすく、むしろ
  波 乱が多い。
  休み明けの馬が多 いから=データを取れば平均配当は高いかもしれない が、それは結果論。休
  み明けの組の取捨、順調に使っている組 の取捨を考察するのが重要であり、無理やり荒れるとす
  るのは よろしくない。
  新聞に“波乱必至 ”と書いてあるから=競馬新聞の短評は担当者が主観 で決めたもの。参考にす
  べきでない。また、新聞は人気を動か す立場にあり、“順当”と書けば書くほどオッズがかたよる。
  人気馬が飛んだときの配当を自分たちでつり上げ、目立つ結果 にしているわけだ。

   質問の中にあった荒れるかどうかを見きわめる方法は、ちょ っと見方がズレているかなと思う。  
  まず予想ありき!
出走馬 の実力を比べ、展開を読み、それで何か来るのかわからないほ どの混
  戦だったり、印の厚い勢力に信頼が置けなかったりした ら、そこで初めて“荒れるだろう”と予測する
  ことができる。

  人気がどのようにしてできるかは知っておいた方がいい。むかしに比べると薄まっている感じはす
  るのだが、人気を作 っているのは一に競馬新聞、二にスポーツ紙である。専門紙は 新聞同士で本
  紙予想のランキングをつけて的中率や回収率を競 っており、重要なのが堅実に当てることだ。  た
  とえばAという馬が好走確率20%、Bという馬が好走確率25 %と考える人が多い状況があるとする。
  両者の差は大きくない わけだが、当てることを大事にする専門紙の本紙予想者はAを 上位にとっ
  てくるだろう。それが重なった結果、力の開きがな いのに人気の開きがあるという状態になってしま
  うのだ。
   ならば馬券を買う人間は、それを逆手に取ってBに投資すれ ばいい。回収率は自動的に高くな
  る。これは余談−。 プロフィールの中で、競馬研究にいたときの新聞を紹介し ている。それを見て
  いただくとわかるのだが、私が本紙予想で ◎を打ったスプリングマーチには、ほかに何も印がつい
  ていな い。私は“異端者”だったから、平気でこういうことをしてい た。  このときは営業部(広告
  等、新聞の売り出し方を統括する部 署)から文句が来た。「本紙予想にふさわしい印ではない」と い
  うことだった。そんなことを言うなら自分たちで予想すれば いいし、それより私が本紙予想を打つの
  は会社の決定なのだか ら、この苦情は会社に対する反乱行為である。
   まあ、入社してすぐの、それも20才ちょっとの人間を本紙予 想者にするのには反発があったから、
  気に入らなくて何か言い たかったのだろう。  ちなみにこのスプリングマーチは痛快に勝利を決め
  てくれた 。大好きな馬になった。  ほかにも枠順が決まる前に印を決めないといけないとか、世の
  中の反感を買う予想を打ってはいけないとか(ディープイン パクトに逆らうと、勝たれたときに新聞の
  イメージが悪くなる )、競馬新聞とはいろいろな制約がある中で予想を打っている 。頭から信じるの
  はやめた方がいい 。

   そもそも人気という言葉自体が危 ういものだ。1番人気馬とは最も馬券が買われたという 単なる
  傾向。来るとか来ないとかとは何の関係もない。  昨年の10月22日の東京12R (1000万下・東京
  ダート1400m)では3 連単が1,846万9,120円というとてつもない馬券になった 。予想はかすりもしな
  かったが、こんな馬券が出るかもしれな いというのはハッキリわかった。16頭立てのフルゲート戦。
  やたらと先行馬が多く、しかも強 いわけではないから、みんな潰れてしまいそう。が、展開利が ある
  はずの差し馬たちがもっと弱い。16頭中で15頭が普通は来 ないだろうという感じで、必然的にヒカル
  ウイッシュという実力馬に人気が集中した(単勝170円)。
  ここで問題になるのがヒカルが16番枠に入っていたこと。あ まり言われないのが不思議なのだが、
  府中のダート1400mは非 常にタフな条件だ。大外枠を引いて中途半端に外を回されると 、まず間
  違いなく失速する。このヒカルが来なかったら、どうなってしまうのだろう?不穏なムードがただよっ
  ていた。私はヒカルから入って薄めに 抜ける馬券を期待したのだが、ヒカルが外々を回ってバッタ
  リ止まり、16番人気と12番人気の勢力が後ろから突っ込んできて 、逃げた3番人気馬が3着に粘る
  という妙な決着で歴史に残る配 当が生まれた。

  結局、荒れるレースをか ぎわける能力は競馬の勉強をして身につけていくしかない。
  状況による−これが大前提ではあるが、条件的な荒れる要素 はどこにでも転がっている。すぐ
  前に述べた府中ダート1400m は波乱が起きやすいし、今の府中は砂が重たくてダート戦自体 が荒
  れる要素を含んでいる。京都の芝は外差しが決まるように なって実力以外の部分が重要だし、先週
  で終わった小倉は芝の コースがボコボコで、最終日は当然のように高配当馬券が連発 した。

  話があちこちに飛んでしまって、あまりいいアドバイスはで きなかったが、何かヒントになるところが
  あったらと思う。

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